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2020年6月議会 一般質問 3問 part①

6月から会派「市民クラブ改革」の一員になり、今年度の一般質問させていただきました。
昨年の6月に一般質問デビューをし、あっという間の一年。
今回も不登校の質問は外せません。
そして、新たな市への提案として、「だれもが遊べる公園」について!!これは、ぜひ進めていただきたい!!
コロナで休校となった時にICT教育の話題は、全国的に先進市は話題になりました。西宮市は遅かった(>_<)

それでは、その質問の内容と、市からの答弁について、まずは1問目をかなり長くなりますが原稿をほぼそのままアップします。
ぜひ、お読みください。長いですけど(^_^;)

① だれもが遊べる公園の設置について
西宮市は、今年「障害を理由とする差別の解消及び誰もが暮らしやすいまちづくりの推進に関する条例」を制定します。また早くから、他市に先がけて福祉を進めてきた歴史のある町です。
しかしながら、障害があるとされる人の実情を考えた時に、健常者の人が当たり前にできることが、障害のある人は当たり前にはできず排除されている現状がまだまだあります。
社会のシステムや生活環境が変わることで障害では無くなることがあります。今後、条例設置に伴い、改めて考えていかねばならないことが多く有ると考えます。
今回はその中の一つである公園について質問いたします。

公園は、色んな人が集まり交流しながら過ごす大切な場所です。子どもだけでなく、大人にとっても公園は散歩をしたり、体力作りをしたり、誰もが利用できる公共の居場所です。しかし、障害があっても無くてもだれもが安心して遊べる場所かとなるとそうではありません。以前、私自身、公園が障害のある子どもたちにとって遊べないところであると言うことにあまり深く意識をしていませんでした。数ヶ月前に、他市の議員さんから、「障害があっても無くても、だれでも遊べる公園が東京にできた」ということを教えていただき、恥ずかしながら、その時始めて公園に関してインクルーシブな視点がなかったことに気づかされた次第です。インクルーシブとは、すべてを包み込むような、包括的な、と言う意味から、障害があっても無くても誰もが排除されないという意味で使われています。

これまで、近所の公園や総合公園にしても、障害のある子どもたちが遊具で遊べなくても「それは仕方がない」「公園とはそういうものである」と無意識のうちにそう思い込んでいた方も多いと思います。
公園と言えば、ブランコがあって滑り台があってというイメージかと思いますが、そのイメージされた公園で、例えば、車椅子の子どもたちは遊ぶことはできるでしょうか。
音が聞こえない子どもたちが安心して遊具を使えるような表示はあるでしょうか。
安心して親子で使えるトイレの施設は備わっているでしょうか。
車椅子やバギー、ベビーカーなどで公園に入ることはできるでしょうか。
ご近所の公園を思い出していただくと、できないことが多くあることに気づかれることと思います。公園の入り口にはポールがあり、どこかからは入れたとしても、どこからでも入れるようにはなっていません。これは他の安全面の観点からそうなっていると思いますが、普段何気なく利用している人にとっては障害で無くても、車椅子の方や、双子ちゃん用の並列になったベビーカーでは入れないという障害となってしまいます。
子どもたちが成長する過程で、絶対に必要とされる外遊びや他者との共存を経験できるのが公園です。その公園は、健常な子どもには楽しい遊び場であっても、障害がある子どもたちにとっては我慢をする場になっている現実をご理解いただけたと思います。

日本ではまだまだ浸透していない視点かと思いますが、海外ではアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、台湾、ブラジル、ヨルダンのザータリ難民キャンプなどでは、すでに、だれもが遊べる公園が設置されています。
車椅子のまま乗れるブランコや、直射日光が当たらないよう屋根のある遊び場、目が見えなくても触って遊べる遊具、もし落ちてもケガをしにくいクッション性のある地面などが採用されています。
また、日本においては今年3月に東京都世田谷区の砧(きぬた)公園内に、障害のある子もない子も一緒に遊べる広場が開園し、渋谷区、豊島区でも前向きに検討が始まっています。
兵庫県では国営明石海峡公園などがあリますが、ここはよく行く方でもだれでも遊べる公園となっていることを知らなかったと仰っていました。私も今回質問するに当たって調べて初めて知りました。

だれもが遊べる公園について、日本では、市民グループではありますが2006年にユニバーサルデザインの公園づくりの「みーんなの公園プロジェクト」が設立されました。
このプロジェクトのメンバーの方は、特別支援学校の教員や元教員、ユニバーサルデザインの専門家の方という集まりで、公園づくりのプロジェクトが立ち上げられ、ガイドづくりもされています。今回一般質問するに当たって、写真掲載の許可をいただき、メンバーの先生からは「全国にみんなの公園が広がることを願っています」というお言葉もいただきました。
ユニバーサルデザインとは、文化や言語や国籍や、年齢性別などの違いや、能力などにかかわらず、できるだけ多くの人が利用できることを目指した建物や製品、情報、デザインのことです。

また、公園をインクルーシブな場所にすることは、すべての子どもたちの育ちにも関わります。
今回の新型コロナウィルス感染防止の為の休校措置の際に、全市的に公園で遊ぶことが難しい時期もありましたが、それでも子どもたちは公園で遊ぶことで運動時間を確保し、様々なストレスを発散しながら心身のバランスをとっていたと考えられます。しかし、障害のある子どもたちは、学校のない生活の中で公園で遊ぶこともままならず、放課後等デイサービスに通っている子はそこから公園へ行く機会があっても、差別的な対応を受けることもあり、思いきり遊ぶということができなかったというお声もありました。
障害のない多くの子どもたちにとって、障害のある子たちと一緒に遊ぶことが当たり前であれば、差別や偏見や、何かをしてあげなくてはならないという対象ではなく、自分とは違うところがあっても、自分たちと同じように楽しんだり遊んだりする対等な存在になるはずです。多様な人が自然と、当たり前に一緒に過ごせることが、本当のインクルーシブにつながるのではないでしょうか。
ここで、少しインクルーシブ教育について触れておきたいと思います。
障害のある子どもたちは特別支援学校や支援学級、また通常学級という選択肢の中から教育を受けることになっています。特別支援学校や支援学級は、その子の特性にあった手厚い教育を受けられるという反面、通常学級の子どもたちとは、多くの時間を別々の環境で過ごすということにもなります。これは、どんな子にとっても、それぞれの違いを受け入れながら成長する機会を失っている一面があるのです。障害も個性として認め合いながら、自然に差別を無くしていくには、幼い頃から同じ空間で過ごすことが必要不可欠だと考えます。特別支援学校や学級に通っていても、放課後だけでも地元のお友達と公園で遊び、地域で過ごす時間が増えれば、子ども同士はもちろん、保護者どうしや地域の人との交流も生まれやすくなるのではないでしょうか。

さて、今年度より予算化した西宮市の公園リニューアル事業や公園施設の更新事業において、市内の公園はバリアフリー化が進められていきます。その内容は、入り口を拡げたり、段差を無くしたり、手すりをつけるなどの対応であり、公園の主役である「遊ぶ」ということ自体がバリアフリーでインクルーシブとはなっておりません。
公園リニューアル事業に、一年に一カ所か二カ所、取り組むとのことで、もし市内すべての公園にユニバーサルデザインの観点を取り入れるとなっても時間がかかります。
そこで新たにだれもが遊べる公園を設置することが必要だと考えます。
「子育てするなら西宮」というキャッチフレーズが、最近は尼崎市や明石市、インクルーシブ教育においては芦屋市の施策に押され気味に感じる中、関西で初めてのユニバーサルデザインの公園を設置することが、インクルーシブな環境のシーダーシップを発揮することにつながるのではないでしょうか。
また、本市では今年「障害を理由とする差別の解消及び誰もが暮らしやすいまちづくりの推進に関する条例」が制定されます。障害にあるなしに関わらず、子どもたちやあらゆる人が安心して遊び、過ごせる公園は、条例に沿った公園になり、必要性があると考えます。
そしてその公園を実現するためには、遊びの当事者である子どもたちや、多くの方の意見を取り入れながら、みんなが「自分ごと」として携われるようなプロジェクトを組む必要があります。

今回、この公園を取り上げるに当たって、障害のあるお子さんの保護者や当事者の方に、公園で困ったことと、公園にほしいものをお伺いしました。資料②にまとめておりますので、ぜひご覧ください。ご協力いただきました皆さまありがとうございました。
このアンケートから、遊具に関して以外にも、トイレや飛び出し防止の柵の設置などの環境整備も非常に重要であることがわかりました。新たな公園について様々な重要なポイントがあると理解した上で、市内の公園の状況を調べてみました。そこで現在整備中の西宮浜総合公園と入札中止となった中央運動公園に着目いたしました。西宮浜総合公園の公園センターには、みんなのトイレがあり、乳幼児が使えるキッズスペース、またシャワー室や更衣室等があります。駐車場も完備されていて安全のために敷地を囲うこともできるなど、すでにいくつかの条件が揃っております。また中央運動公園については、今年度実施予定であった再整備事業の入札が中止となり、改めて考え直すこととなりました。来年度以降にはなりますが、遊具設置のエリアについてユニバーサルデザインを取り入れただれもが遊べる公園として再検討の余地があると考えます。

以上の観点から、2点質問いたします。

① 西宮市の公園を代表する「だれもが安心して遊べる公園」が必要だと考えますが、市の考えをお聞かせください。

② 今後、順次行われる公園リニューアル事業や、公園施設の更新事業において、ユニバーサルデザインの遊具の設置やインクルーシブの観点から「みんなのトイレ」の設置などが必要だと考えますが、市の対応をお聞かせください。

市の答弁

①「だれもが遊べる公園について」の質問のうち、その必要性についての答弁です。

本市では、これまでにも、高齢者や障害のある方に配慮した公園施設の改修として、トイレの更新、スロープや手すりの設置などを進めてきたところでございますが、こうした取り組みをさらに発展させた、遊具なども含めた
ユニバーサルデザインによる公園づくりの考え方は、市としましても必要な視点であると考えており、今後、検討すべき課題であると認識しております。

②次に、ユニバーサルデザインの遊具とトイレの設置について。

まず、公園内のトイレの更新につきましては、市内にある111箇所について、平成29年度より、高齢者や障害のある方でも利用しやすいトイレへの
更新事業を順次、進めているところでございます。
これまでに、12箇所のトイレの更新が完了しており、今後も、引き続き、計画的な更新を進めてまいります。

また、議員ご指摘のユニバーサルデザインによる遊具などの設置につきましては、現在、整備中の西宮浜総合公園や、今後行われる大規模公園や身近な公園での施設改修の際、先進市での事例や利用者の皆様のご意見も参考としながら検討してまいります。

と言うことでした。

再質問はせずに、意見を述べました。意見は以下の通りです。
一番言いたいことは、一番下の赤文字のところです!!

新型コロナ感染防止対策や支援金などでかなり西宮市の基金の状況は切迫しているとは思いますが、公園事業に関しては国からの助成金や、例えばネーミングライツ等の手法も検討していただきながら、ぜひ「だれもが遊べる公園」を進めていただきたいと思います。先ほども申しましたが、みんなが自分事として取り組めるものとして、多くの方の意見を取り入れ、子どもから高齢者まで関わることのできるプロジェクトを組んでいただきたい。さすがにすべての要望が叶わなくても、他の人にとってこれが便利で安心につながるのだと言うことを、お互いに知ることで、まさに「だれもが遊べる公園」となることと思います。

質問の中で、放課後等デイサービスのことに触れましたが、放課後等デイサービスの事業者の皆さまには、今回の休校措置で、突然のことにもかかわらず、早急にご対応いただき、障害のある子どもたちは居場所を確保できたと聞いております。毎日の長時間対応と感染予防への対応などもあり、かなり疲労困憊されていたスタッフもおられたとのことですが、子どもたちの為にと受け入れをしてくださいました。
放課後等デイサービスに関しましては、元々の数が足りず、今もすべてのご家庭の希望通りに通えていない現状があります。この問題は事業所をただ増やせば良いのかというと、それだけで問題解決とはならないと思っています。
放課後、障害があってもなくても、地元の公園でお友達と一緒に遊ぶという選択肢があれば、事業所の数を増やすという観点ではなくとも、子どもたちの居場所を増やせることにつながるのではないでしょうか。
 今回のこのだれもが遊べる公園について、ただ公園を作ってほしいという質問ではなく、

障害があろうがなかろうが、子どもであろうが高齢者であろうが、みんなが当たり前に集える場所を作ることで、孤立したり分断されてしまっている人と人との関係を築いていけるきっかけにしたいということと、本当の意味でのインクルーシブを進めていくことにつながるようにと言う思いで取り上げさせていただきました。

以上で質問の①を終わります。

次回、質問②をアップします。

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