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西宮市議会12回定例会 一般質問 ②

4つの質問のうち、2つ目の質問です。
産後ケアについて。
「産後うつ」「産婦の自殺」など社会問題になっています。これまで、出産の後の大変さは誰もが「当たり前」のことと思っていたかもしれません。死にたくなるほど大変な産婦さんがいると言うことを認識するところが大事だと思います。
そこからの質問です。。。

②産後のケアについて

西宮市の産後の支援は、助産師の派遣や産婦健康診査の助成制度、新型コロナの感染症対策でzoom相談や里帰り出産をあきらめた産婦さんへの育児支援サービス助成金などがあります。産後のヘルパー派遣もあり、かなり充実してると思います。
しかしながら、産後の子育ての不安が大きい人にとって退院後すぐにほしい支援があります。それは、お母さんと赤ちゃんが一緒にケアを受けられる宿泊型のショートステイや日帰りのデイサービスです。出産後、特に医療的に体調の問題が無ければ退院になります。しかし、自宅に帰ってもほぼ一人で赤ちゃんのお世話をしなければならない人や、上の子のお世話もあったりと生活に不安がある産婦さんへの不安解消の為に母子で入院できるのがショートステイになります。日帰りの場合はデイサービスになりますが、どちらも産婦の休息のお手伝いや乳房ケア、沐浴のお手伝い、育児相談などが主な支援になります。これまで西宮市内でショートステイをされていた病院はとても少なかったのですが、この12月から明和病院で新たな事業として開始されるそうです。
その新事業については、そういった支援が必要な産婦さんがおられることに対応する為、立ち上げられたと聞いています。他市においても、公立の病院を対象に補助金を出している自治体もあり、全国的にも多くの自治体が産後ケア事業の一つとしています。近隣他市ですでに取り組まれているところを一覧にしておりますので、資料をご覧いただける方はそちらをご確認ください。伊丹市や芦屋市、明石市など、各自治体によって内容には違いがありますが、ホームページには「産後のお母さんのからだとこころのケア、母乳育児の方法や育児に関する相談や支援で不安を少しでも軽減し、赤ちゃんとの生活に前向きになれるように応援します」というようなコメントが添えられています。

西宮市においては、ヘルパー派遣と助産師の派遣で生活面と育児相談のフォローで隙間無く支援が行き届くかと思われますが、ヘルパーについては産後育児に特化した事業では無いことから、必ずしも欲しい支援とはなっていない現状があります。また、退院後すぐに入ることが難しいこともあり、支援の隙間が生じています。さらに産後に自宅へ複数の人が出入りをすることがストレスになることもあり、できるだけ一元化した支援の必要があります。そこで質問いたします。

産後ケア事業の一つとして、産後のショートステイとデイサービス利用者に対しての補助金支給が必要だと考えますが市の考えをお聞かせください。

市の答弁

本市において、退院直後すぐに利用できる支援としましては、育児支援家庭訪問事業の産後ヘルパーや子育て家庭ショートステイ、子育てコンシェルジュ、ファミリーサポート、保健師・助産師による相談や家庭訪問、助産師による産後ケア事業等がございます。
中でも議員よりご質問の産後ケア事業につきましては、事業開始前の平成27年度に市内産婦人科を対象に産後ショートステイに関するアンケート調査、聞き取り調査をしたところ、産後ショートステイを実施するにあたっては、本市の医療機関では出産される妊婦が多く、産後ケア用の空きベッドの確保や24時間体制を維持するための助産師等の医療スタッフの確保などの課題があることがわかりました。そのため、訪問型のアウトリーチによる支援を平成30年12月より嘱託助産師1名で開始し、令和元年度からは3名で実施しております。
開始に当たっては市内の分娩を取り扱っている医療機関へ産後ケア事業の周知と対象者への事業紹介を依頼したため、出産医療機関からの紹介で申し込まれる方もおられます。また、今年度10月より産婦健診を開始したことにより、産後早期に支援の必要な方の把握がし易くなりました。
今後は、必要な方への支援の強化を図ると共に、産婦の意見や医療機関の状況も再度聞き取りしながら、産後ケア事業のショートステイやデイサービスの実施についても検討して参りたいと考えております。

田中あきよの意見

この12月から、明和病院がこの事業を始められることと、市内では他にもツルマタニティクリニックでもされていますし、サンタクルス・ザ・夙川ではリフレッシュ入院があるそうです。市内で取り組んでいる施設が全くないと言うことにはならず、支援を設ける可能性として、これは大きな課題の一つがクリアになると思います。また、高砂市は他市の施設利用でも支援対象としておられます。

また、他に課題として考えるのは、予算もありますが、産後のお母さんの養生の必要性をどれだけ理解していただけるのか、と言うところだと感じています。出産後、ほとんどの場合、新生児の時からお母さんが中心になって育児をします。また、その様子を家族は見てきました。睡眠不足で自分の食事もゆっくり取れない、乳腺炎になると痛くて眠れない。赤ちゃんの体重は増えているのか。うんちの回数や色はこれで正常なのか。色んな経験をして子どもを育ててきたわけです。これまでその経験を乗り越えてこられた女性やそれを間近で見ていた方にとっては、産後に入院までしてケアをしてもらうのは甘えてると思われてる方がおられるのでは無いでしょうか。経験をしたからこそ、泊まり込みでお世話をしてもらうなんて、贅沢な話だと思われる。ましてやそれが布おむつしかなった時代や、私の母くらいの時代ともなると、舅姑の目があり、産後もすぐに布団を上げて家のことも子育てもやってきたという先輩がたもおられます。それは、本当に尊敬するところもありますし、お母さんや嫁の鏡のように思われていたこともその時代には大事な価値観だったと思います。しかし、今は便利なものが増え、いつでも情報を手に入れやすい状況であるにもかかわらず、産後うつや命を絶ってしまう人が増えています。もしかしたらこれまでも、そういった生きづらい人はおられたけれども、調査をされなかっただけかもしれません。そこを踏まえてもしんどい人が増えてるいるのは、核家族化や、日々のあふれる情報の中での孤立感、助けて欲しいときに声を上げにくい風潮、自己責任論など、目に見えないプレッシャーなど、本当に様々な要因が絡まっていると思います。

私は三人娘がおりますが、5才ずつ離れており、一人目の出産の時は、母の世話になったのですが、まだまだ元気な年代だったので、私はしっかり3週間はパジャマで過ごさせてもらった記憶があります。それでも、朝も夜も初めての育児に不安を抱えながら無我夢中で子育てをしていました。その5年後に次女を出産したときは、母は腰が悪く起き上がれず、母のお世話と次女の子育てで、布おむつから急遽紙おむつにしました。三女の時は、母の年齢も私の年齢もあがり、上の二人のお世話もあり、産後に私自身が寝込むこともあり3回断乳したことがあります。出産は母親と赤ちゃんだけのことではなく、環境によって全く困りごとが違ってきます。私の友人は初めてのお産の直前に、お母さんが突然亡くなったと言うこともありました。

どんな状態であれ不安の無い妊産婦さんはいないということ、産院から退院した瞬間から産婦は新生児のお世話と、家庭環境への対応や責任が求められると言うことを、ぜひご理解いただきたいと思います。それらを社会で支えて行きながら、孤立させずに、社会の宝物である子どもたちを多くの手で育てていくイメージで西宮市の産後ケアがさらに充実していくことを期待しています。

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