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2020年6月議会 一般質問3問 part②

一般質問の2問目は、
学校へ行きにくい子どもたちへの支援対策についての質問です。
これは、市からの答弁の後、かなりしつこく再質問しました。
不登校の当事者や、親御さんとの意見交流などする場がない現在、当事者のことを聞かずして、どうやって支援をするというのか。。。
「要望があれば年に1回話を聞く場を持つ」と言った教育委員会に、多くの疑問の声が上がっています。ぜひ、皆さんも感心を寄せてください!!
子どもの不安に寄り添えない社会では、安心して生きていけません。
では、質問の内容を下記に記します。

不登校や登校に不安がある子どもたちへの支援対策について 

新型コロナウィルス感染症防止対策の為の、3ヶ月に及ぶ休校措置のあと、学校再開となりました。今、子どもたちの様子はどうでしょうか。もともと学校に行けていなかった子どもたちや、今回の休校で精神的、健康的に不安が大きくなっている子どもたちへの支援は、早急に必要であるとの考えから3点質問いたします。

①不安の大きい児童生徒への対応について
今回の休校の間、学校再開を期待していた子と、期待していなかった子の差は、まさに学校が楽しみか楽しみでないかの違いであると思います。授業を受けたいと言うよりも、友だちと遊びたい、先生に会いたい、部活がしたいなどの声が聞こえていました。ただし、これはアンケートを採ったわけではないので、ごく一部の意見です。一部の意見ではありますが、基本的に子どもたちは楽しむところから知識を身につけ経験を積み重ねていくものと考えます。楽しむと言うことが、「怠ける」とか「甘やかす」などのマイナスのイメージにとられてしまうと反対意見が出ると思いますが、そうではなくて、「部活しんどいけど楽しいから頑張れる。」「楽しいことがあるからしんどくても乗り越えられる」など子どもたちだけでなく、大人も同じことで、つらいことやしんどいことがあっても、楽しいことがしんどいことを少しでも上回れば、色んなことを乗り越えられると思っています。
教育新聞に寄稿された教育ジャーナリストの斉藤剛史さんも、「こんなときだからこそ学校は楽しくなくてはならない」と書かれていました。今回の新型コロナウィルス感染症は災害と同じく、世の中は大きな不安に包まれました。子どもたちの中にはとても敏感に想像以上に恐怖を感じている子もいることと思います。学習の遅れの対応や日々の感染防止対策などで、現場の先生方も疲弊されていることと思います。どうしても遅れた学習の時間確保の為に、学習が第一優先となりがちかと思いますが、子どもたちたちが楽しく安心して登校しているのかどうか、登校できていない子どもたちに変化はあったのかどうか、心の状態をチェックするためにストレスチェックの必要があると思います。兵庫県立大大学院教授の冨永良喜先生が作られた「心とからだのチェックリスト」は、中学校では取り入れている学校もあると聞いています。ぜひ、全市的に対応をお願いしたいところです。
そして、とくに今、不安の大きい児童生徒についてはスクールカウンセラーの対応が必要であると考えます。そこでスクールカウンセラーについてお聞きします。
今回の休校は年度をまたぎ、学校の児童生徒の対応も難しいところがあったのではないかと思いますが、休校中にスクールカウンセラーが子どもたちへの何か動きはあったのでしょうか。
また、不安を抱えている子が増えていると思われますが、スクールカウンセラーの人数や時間を増やすことは考えておられるでしょうか。

市の答弁
臨時休業中のスクールカウンセラーの活動としまして、感染症に対する不安や心理的ストレス、家庭の状況等から心のケアの必要性がある児童生徒、保護者に対して、また、ストレスを抱えた教職員へのカウンセリングを行いました。
外出を好まない児童生徒、保護者に対しては、3密を避けるなどの感染予防策を講じて、
電話でのカウンセリングを行っておりました。

そして、カウンセリング予約のない時間には、感染症への不安やストレスへの対処についての資料を作成し、教職員に配付いたしました。
さらに、臨時休業後の学校生活をスムーズにスタートできるよう教職員とカウンセラーが情報交流してまいりました。
そして、休業明けに実施する児童生徒向けアンケートのサンプルを作成し、学校へ提示しております。
スクールカウンセラーの人数や時間を増やすことについては、毎年、県に対して増員の要望をしており、今後も引き続き配置増の要望をしてまいります。

②不登校支援対策について当事者の意見を取り入れる場の設置
学校再開をしても登校できない子どもたちが増えるのではないかという懸念があります。
不登校の子どもたちへの支援対策について、「不登校対策庁内検討委員会」が立ち上げられ、今後機能していくとのことですが、その対策に当事者の意見を取り入れるべきと考えます。子どもたちを取り巻く大人たちが、支援を考え、対策を考え、実行するにあたって、対策の根拠や何に困っているのかは、当事者に聞くのが一番大事なことだと思います。
各学校現場で、先生と児童生徒、保護者のコミュニケーションはもちろん大切で欠かせないことですが、西宮市が800人を超える不登校の子どもたちの実情があり、できるだけいろんな現状を把握することが重要なことだと考えます。不登校で家から出るのが難しい子に話を聞くのは無理だと思いますが、話をすることができる子もいるでしょうし、また不登校経験者でも具体的な話を聞けるはずです。また、保護者の立場での経験や意見を取り入れることで、子どもたちへの支援の幅は広がると考えます。要望や苦情などを採り上げる場ではなく、教育委員会と当事者、保護者の連携を目的とした会議体を設置すべきと考えますが市の考えをお聞かせください。

市の答弁
不登校への対応として教育委員会と当事者、保護者の連携を目的とした会議体の設置についてですが、不登校児童生徒数が全国的に増加する中、本市においても増加していることを受け、不登校について教育委員会で連携及び調整を図るため、その対策等を検討することを目的として、令和2年1月に「西宮市不登校対策庁内検討委員会」を設置しました。
これまで公民館や図書館など公共施設での不登校児童生徒支援等について検討してまいりました。

また、令和2年度中に、教育委員会は学校の代表、保護者、地域の方々と連絡及び意見交換を図ることを目的とした会を設置する計画をしております。
この会では不登校をそれぞれの立場からまず自分に何ができるかという視点に立ち、意見交換をする場を想定しております。

教育委員会として議員ご指摘のような会議体の設置は考えておりませんが、不登校児童生徒を支援する団体等との懇談については、ご要望があった場合は年1回程度、実施できればと考えております。
それらの場においていただいたご意見等は、市の取組の参考とさせていただきたいと思います。

③不登校児童生徒への支援団体の情報提供
一年前の6月議会での一般質問で市のホームページに、民間も含めた不登校支援の団体や親の会などの情報を掲載するべきとの考えで市の方向性を質問いたしました。
その後、子ども未来センターのホームページには、公立の「やまびこの郷」や「神出学園」の情報がアップされました。ご対応ありがとうございました。しかし、どちらも西宮市からは距離がありますし、現実的にその情報だけでは十分とは言えません。
昨年の一般質問のご答弁では
『今後も、各校への周知や研修に取り組み、保護者への情報提供がさらに進むような体制づくりを図ってまいります。
 また、フリースクールや支援団体、その他県の施設とも情報を共有しながら、不登校支援に取り組んでまいります。』
と、ありました。
また、高校生の不登校に関しての質問に対しては、市長より
『高校生の不登校支援に係る情報提供についても、より効果的な手法を教育委員会とも連携しながら検討し、いろいろあろうと思いますが、』
という言葉に続いて、
『他市の現状も見ながらあわせてホームページの充実も図ってまいるようにいたします。』
と応えていただいております。
兵庫県からは今年3月に不登校児童生徒を支援する民間施設に関するガイドラインが出されました。それにならって西宮市でもガイドラインが作られるとのことですが、そこに掲載される民間施設を、すぐにわかる方法で市のホームページにも掲載し、だれでもすぐに検索できるようにする必要があると考えますが、方針をお聞かせください。

市の答弁
不登校児童生徒を支援する民間施設に関するガイドラインについてですが、県教育委員会が策定したガイドラインには、民間施設に通所する場合の指導要録上の「出席扱い」についてを判断する際の留意点や一定条件を満たし、掲載を希望された県内の民間施設が一覧で掲載されております。
県教育員委員会のガイドラインに基づき、市としてもガイドラインを策定する予定ですが、その内容や市のホームページへの掲載については現在検討しております。

田中あきよからの再質問
1,スクールカウンセラーについて
電話でのカウンセリングを行っていたとのことですが、基本的にスクールカウンセリングは保護者から申し込みがなされて、行われることになると思いますが、休校中もカウンセリングを行うという広報はどのようにされていたのでしょうか。
また、休業開けに実施するアンケートのサンプルを作成されていたとのことですが、その内容と、各学校でそのアンケートは実施されたのか、その内容は市として今後の為にデータとして残しておくことはあるのか。

市の答弁
まずは学校への周知と、継続されている方にはスクールカウンセラーからの連絡をしていました。
アンケートの実施については行った学校もあると聞いています。アンケート結果は、今後の不登校担当会議や、生徒指導担当者会議で情報共有することにし、教育委員会で集約していきます。

教育長より「スクールカウンセラーにしてもスクールソーシャルワーカーにしても、全国的に足りていない。臨床心理士を対象としていたが、今後は学校心理士にも募集を拡げていく。学校での先生方の業務が多いので、分業なども考えていかないと行けない。」という答弁あり。

田中あきよからの要望
スクールカウンセラーを増やすように県への要望をあげているとのことですが、子どもや保護者の悩みは、一日でも早く対応できることが早い問題解決にもつながると思いますので、できるだけ申し込み希望があればすぐに対応できる体制を構築していただきたいと思います。

2,不登校対応について
学校の代表、保護者、地域の方々との連絡や意見交換を図るとのことですが、保護者というのは不登校の子ども保護者と言うことでしょうか。それともたとえばPTA会長などになるのでしょうか。

市の答弁
  団体の役をされている方を考えています。

その後、不登校の子どもたちや保護者の話を聞くべきだ!!という観点から、何度か質問をし、当事者と教育委員会が同じ方向を向いて考えていくべきと伝えたが「年に一度、要望があればそういう場を持ちます」とのこと。最後にこちらの考えを指摘して終えました。

田中あきよから指摘
一方的に要望をあげて意見を伝えるというものではなく、当事者や、直接子どもや保護者と関わっている支援団体と教育委員会が、同じ方向を向いて子どもたちの困りごとがどこにあるのかを考えていかなければ、意見要望を伝えて答えをもらうという形では、解決しないと考えます。不登校は問題行動ではないと文科省も示しており、不登校じたいは問題ではありませんが、学校に行けない子どもたちが「困っている」と言うことが問題です。
どうして学校に行けなくなってしまったのか。友だちと会いたいのに学校に行こうとするとお腹が痛くなってトイレから出てこれなくなる。起立性調節障害と診断され、午前中は身体が動かない。授業がわからないなど、他にも様々な困りごとがあります。
  やはり、当事者やその保護者と定期的に行われる建設的な意見交換と情報共有ができる会議体が必要だと思います。

以上で質問②のご報告を終わります。問題は全く解決しておりませんが。。。

次回は質問③のご報告です。

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