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NPO法人ワーキングマムさんの視察

2021年3月30日(火)
摂津市にある『NPO法人ワーキングマム』さんを視察させていただきました。
代表 西谷知美さんに「保育の現状と現場から見える問題点」のお話を伺いまいした。10年前にワーキングママを立ち上げて、幼児期から学童保育の時期のお子さんまで幅広く預かりをされていることから、保育という観点から見えてくる現在の育児・子育ての社会問題に熱い思いを持っておられます。

摂津市は土曜日に学童保育が無く、児童館や塾、スポーツクラブに入る子が多いそうです。しかし、幼い子は一人で行くこともできず、土日がお仕事の親御さんの場合、子供たちは一人になり、預け先に困ることがあるということで、土日祝の居場所つくりもされています。 昨今の待機児童の問題や、保育士確保の難しさをどう考えるか意見交換をし、以下まとめてみました。

待機児童については、基本的に全員入園を当たり前にすべきで、その考え方として働かないといけない親御さんには、働かなくても良い保障をし、働きたい親御さんは預けられるだけの施設整備をすることが必要ではないか。また入園のポイント制の見直しの必要性を感じる。最近は自宅勤務の人が増えたにもかかわらず、自宅で仕事をしている人のポイントが低いのは今の働き方にそぐわない。母親は働きたいけど働けない、または子育てしたいけど働かなくてはならないというストレスを抱えていることが多い(田中の意見もあり)。また、保育園に預けられたとしても、土日の休みはほぼ一人で育児をしている母親は、仕事と育児で疲れ切ってしまうことがある。社会的構造として、女性がかなり無理をして時間や体力を駆使しないと子育てできないのはやはりおかしい。保育所や学校に行っていても預かってもらいたいというニーズがあり、そういったお子さんも預かっている。そこには、保護者の生きづらさがある場合もあり、自己責任ではなく社会のシステムを考え直す必要がある。

(保育士さんについて前回の文面にご意見をいただき、改めて書き直しをしております)

元々、保育士として働いたことのない保育士さん(補足:最近では、子育てを経て、保育士資格を取る方も増えている。つるの剛士さんもそうですよね)から、いきなり、週4、5日9時-15時までといった長時間勤務の「現場」は不安だからワーキングマムでパートをしたいという問い合わせがあるとのこと。

活動10年で、1日に数時間、週に数時間。スタッフ2人で乳児から幼児まで3-5人のお子さんの面倒をみて、徐々に働く時間を増やして、現場(週5勤務)に復帰した元保育士は5人。無資格から、ワーキングマムの経験を買われて、保育園補助に従事している人が4人。元保育士で、子連れ出勤から始めている人が2人。
以前と違い、保育士の働き方がさまざまな働き方が選べるようになったことも復帰しやすい一因ではあるが、小さなNPO法人でもこのように実例がある。
全国にある、保育関連を事業とするNPO法人は各市町村に必ずあり、滞在保育士の掘り起こしを委託すれば、NPO法人も運営も楽になるし、人材の循環も生まれるのではないか、というご意見であった。

そして、保育士一人に対して子供の基準を少なくするべきではないか。待機児童と保育士不足で、基準を変えることは大きな壁があると思われるが、子供の安全、保育士の働き方を考えると今の基準が最良とは思えない。

などなど、保育について様々なお話をしました。
文章はかなり私の主観が入っていて、今の思いなども含めて記しています。
保育も教育も、やはりシステム自体を考え直さないとしわ寄せは子供たちにきてしまうと言うのが実感です。
そして、ワーキングマムのような居場所がたくさんあればいいなと思いますが、やはり経営となると持続していくことの難しさがあると言われていました。それでも10年続けてこられたわけで、すばらしい取り組みです。
やはり現場の声は貴重です。
お忙しい中、お時間いただきありがとうございました。

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