【管内視察】西宮市総合福祉センター・青葉園・ふれぼの
2023.10.13(金) 10:00~16:00
健康福祉常任委員会 管内視察 報告書
西宮市社協の清水副理事長、音川事務局長に大変お世話になりました。
ありがとうございました。
以下、視察先の概要と、最後に感想を書いております。
■社会福祉法人西宮市社会福祉協会(社協)
昭和26年に設立し、同28年に法人認可された団体で、「地域福祉を推進することを目的とした団体」である。「住民主体」の理念に基づき、「だれもが安心して暮らしつづけることができるまちづくり」をめざして活動をすすめている。以前は黒子と言われていたが、現在はともに活動する存在である。
職員構成は、法人本部に200名、育成センターに250名。社協地区は35地区、社協地区組織構成者数は4089人(令和3年)である。行政との厚生課との連係部分も多く連携している。災害支援活動や、募金活動、地域の行事に参加している。
現在、第9次地域福祉推進計画で福祉目標を立てている。
■総合福祉センター
総合福祉センターは、昭和60年から社会福祉法人西宮市社会福祉協会(社協)が西宮市からの指定管理者として運営されている。4階建ての本館と2階建ての別館があり、1階には事務所、温水プール、体育館、2階には総合支援窓口、地域福祉課の窓口、3階はリハビリセンター、権利擁護支援センター、4階は、兵庫県で3カ所しかないうちの1カ所の視覚障害者図書館がある。
別館1階に青葉園、2階は会議室などがある。視覚障害者図書館には点字図書や音訳ボランティアによる録音なども行われており、視覚障害の方への情報提供の一役を担っている。
■青葉園
1967年、障害のある子にとってはまだ就学免除があった頃、わかば園が設立、1981年には青葉園がスタートした。国はまだ障害者の政策もなく、なんの法的根拠もなく始まった重度障害と言われる方々19才から68才の方が46名おられ、だいたい1日に35人が利用されている。相談支援の場を常に本人中心に考え、2013年から西宮市独自の「本人中心支援計画」づくりがスタートした。障害の重い方ほど人と人の関係性の中で生きているという思いから、青葉園では30年前から個人総合計画が行われ、地域自立生活を進めている。地域福祉計画にある権利擁護支援という言葉は、西宮市が発進してきたものである。
本市では、国の制度動向をとらえ、サービス利用計画⇒本人中心支援計画であり、成年後見センター⇒権利擁護支援センターとしている。
■地域共生館ふれぼの
2016年4月に開館した地域拠点である。4階建ての建物で1階にカフェと地域活動センターがある。2階から4階には多目的ホールや自立生活準備室、福祉避難所災害備品スペースなどがある。青葉園と同じく重度の障がいがある方が通われていることや、地域のお子さんや大人も立ち寄れる居場所となっており、地域の交流の場となっている。「共生のまちづくり」のモデル拠点として、小さな社会ができあがっている。視察当日も、幼稚園帰りの親子連れの方々が沢山利用されていた。
●感想
今回の視察で、西宮市は国よりも早くから障害のある方々の福祉に取り組んできたという経緯が改めてよくわかった。副理事長の清水さんが長年取り組んでこられた、ひとりひとりの人権を守り、だれもが自分らしく主体者として生きていくことを当たり前の社会にするための活動は、今でも西宮市にしっかり根付いていると思うところである。しかしながら、障害のある人が皆、地域で暮らせているのかというとそうではない。まだまだシステムを考えていかねば人権を軽んじてしまいかねないケースもある。国が注目するほど障害福祉を進めてきた西宮市の軸を曲げずにこれからも本人中心支援から地域共生社会を構築するために、福祉を充実させていかねばならない。「障害者の福祉を充実させると自然と子どものことも高齢者のことも解決するのではないか」という言葉に深く共感した。
お昼ご飯は、総合福祉センター内にあり、聴覚障害があるスタッフの方がおられる「くすの木」でランチをし、午後はふれぼのカフェでお茶を注文してそれをいただきながらお話を聴き、一日を社協で過ごすという内容の濃い管内視察であった。
清水さん、音川さん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。大変勉強になりましたm(_ _)m