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2023年6月議会 一般質問②不登校児童生徒の家庭への情報提供

②児童生徒が不登校になった場合の情報提供の内容やタイミングについて

 

2019年6月から議員活動がはじまり、その6月議会で一般質問デビューさせていただき一般質問は12回目となり、不登校の児童生徒に関連した質問を取り上げたのはそのうち7回、今回のこの質問で8回目になります。

4年前に議員にならせていただいた頃は、西宮市の不登校の子どもへの対策としては、あすなろ学級がこども未来センターに1カ所しかなく、教育支援センターではなく適応指導教室という名称でした。また、親支援という観点は無く、子ども達の学校復帰が根本的にあったように思います。

2017に制定された義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、いわゆる教育機会確保法の見直しが行われ、2019年10月に「不登校児童生徒への支援の在り方について」の通知が出されました。そこには「支援は学校復帰だけを目標にするのでは無く社会的自立を目指すこと」や、フリースクールなどや民間施設などとの相互の協力や補完、本人への働きかけ、家庭への支援がうたわれています。

そのような法律ができた背景もあり、西宮市では教育支援センターあすなろは7カ所に増え、オンラインでも繋がることができ、民間の「西宮子どもと学びネットワーク」が中心となって作成した不登校児童生徒の支援先一覧表は、西宮スタイルさんのホームページを通して、教育委員会と各幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校および支援学校のホームページで見ることができるようになりました。3年前からは、西宮市不登校対策庁内検討委員会や、西宮市不登校対策連絡協議会で不登校対策について、現状の共有や支援対策の協議が行われていると聞いています。

この4年間で不登校支援は大きく広がってきたということなのですが、学校に行けない子ども達はさらに増えてきていると言う現状があります。西宮市内の不登校児童生徒は合せて1000人以上、さみだれ登校や高校生の不登校生徒を合せるとかなりの人数の子ども達がしんどい思いをしていると考えられます。やはり根本的に学校のあり方を考えていかないといけないということは毎回お伝えしているところですし、当局の皆さんも同じ思いでいらっしゃると期待しています。

さて、今回の質問は、何度か取り上げた保護者、家庭への情報提供ですが、かなり具体的な質問になります。

子ども達が学校に行けなくなったときに、担任の先生を通して様々なやりとりがあると思いますが、保護者の方から、例えば中学1年生で不登校になり、3年生になって初めてあすなろのことを知った、とか、給食を止められることを知らずに払い続けていたなどのお声を聞きます。4年前から情報提供の必要性はお伝えしていましたが、不登校になる理由や背景が様々なので、何をどのタイミングでお伝えするのかは、担任の先生との関係性を重視した上で個々の先生に委ねるというお答えをいただいておりました。しかしながら、教員も足りない、不登校児童生徒も増えているという状況もあり、これ以上、担任の先生の努力に頼り、情報収集についてもその先生に任せる体制は、どうしてもご家庭への情報提供としては偏りが生じてしまうと考えます。

そこで、学校に行けなくなった児童生徒のご家庭への情報をいわゆるパッケージのような仕組みにして、完全な不登校でない場合も含めて、情報提供する仕組みを考えてはいかがでしょうか。

 

 

【学校保健安全課からの答弁】

不登校の理由は児童生徒により異なりますが、不登校対策チームが一人ひとりの状況を多面的にとらえ、最善の対応策が講じられるよう努めているところです。例えば保護者に向けた情報提供についても、担任のみに任せることなく、不登校児童生徒それぞれの状況をチームで協議し、情報提供を行っています。
しかしながら、情報を提供する内容やタイミングについては一様ではなく、適切な対応が難しいケースもあります。

市教育委員会としましては、突然休みが増え登校ができなくなった状況や家庭訪問するが本人とつながりにくい状況など、児童生徒の状態に対応したフロー図を作成し、保護者の心配にも寄り添えるよう、状況に応じて教育支援センターの紹介、給食の停止、健康診断に係る情報や学習支援などの情報提供が可能となる仕組づくりを検討しています。

ついては、その仕組みを、教育相談担当者研修会や生徒指導担当者会などで周知することで、各学校から保護者へ提供される情報の内容やタイミングが、適切となるよう努めてまいります。

 

◆再質問

ご答弁としては、不登校対策チームで対応していくということかと思います。ちなみにご答弁にありましたCOCOLOプランをご存じない市民の方もおられると思いますのでご説明しますと、今年3月に文部科学省から通知が出されたもので、「だれひとり取り残されない学びの保障にむけた不登校対策」という政策です。このCOCOLOプランについては、いくつか気になる点がありますが1点ここで再質問をいたします。

いわゆる教育機会確保法には「不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つ」という文言があり、休養の必要性が明記されていますが、COCOLOプランには休養の明記がなく、不登校になる前に支援をするということになっているところなど、状況によっては不安があります。起立性調節障害の子どもがとても多いこともあり、心から休養できる時間の確保が支援になることもあると思いますが、そこについてはどのように考えますか?

 

【再質問答弁】

教育機会確保法及び文部科学省通知が示す、不登校児童生徒への支援は、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、「社会的に自立する」ことを目指す必要があること。
また、児童生徒によっては、不登校の時期が休養や自分を見つめ直すなどの積極的な意味を持つことがあることについて何ら変わるものではありません。
一方でCOCOLOプランは、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」についての通知となります。

 

◆意見

ご答弁で、休養の必要な場合があることを認識されていることを確認できました。よろしくお願いします。しかしながら、休養が必要な状況であることをだれが気付けるか、保護者も心から休んでも大丈夫と思えるのか、本人は休んでホッとできるのか、大変むずかしいなと思います。学校がしんどくなったら、簡単に、休んでいいよということではなくて、本当に子どもたちが休養が必要なときに休むためには、日ごろから休むことが悪いことではないという価値観がなければ、この不登校のしんどさはなかなか消えないだろうと懸念しています。

まだまだ再質問をしたいところですが、これから各学校で不登校チームを作って支援体制を整えていくと言うことですので、この後は意見を述べます。

今回の質問は、情報をまとめて保護者へ伝えることで、ご家庭への様々な負担を抑えることや、担任の先生の負担も減らすことができないかという内容でしたが、教育委員会で対応のフロー図を作成したり、仕組み作りをしていくというご答弁でした。担任任せではなくなるという点では安心しますが、不登校チームは各学校内の先生方がメンバーで新たな人材が増やされるわけでは無いと思います。先生が足りないということが大きな問題となっていますが、その状態でチームが組めるのか?と不安は払拭できません。そこで、これまで何度も提案してきましたが、フロー図をつくるという仕組み作りのところから、不登校児童生徒の支援先や親の会などいろんな方が繋がっているネットワークとの官民連携を進めていくのはいかがでしょうか。

私も、学校に不安があるお子さんや親御さんと様々な課題を一緒に考えている日々で感じることは、だれ一人同じでは無いけれども、そのだれもが学校の枠に当てはまらずに、はみ出している状態だと言うことです。一人一人の問題に寄りそうことは一番大事なことですが、元々の根本的な問題は学校のあり方です。何度も申し上げてきましたが、学校に行けない子ども達への支援と、しんどくならない学校づくりは同時進行でやらねばなりません。大きな社会問題に対峙せねばならない時だからこそ、官民連携での取り組みを考えてください。

 

 

 

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